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たいせつでたいせつで(124)

 「やあ、おはよう。クオン君にキョーコちゃん」
 朝食の用意されたテラスの円卓に着き、笑顔の青年が片手を挙げる。それへ金の髪の少年は、一瞬だけ止まったあと微笑を返した。
 「ええ、おはようございます社さん」
 「おはようございます」
 隣の少女が少し頬を染めるのを彼は見逃さず、すかさず社からひとつ離れた椅子を引いた。
 「どうぞ、キョーコちゃん」
 「ありがとう、クオン」
 「どういたしまして」
 丁寧に少女を座らせる仕草に、日本の青年が心持ち目を丸くしている。
 「へええ…さすが、外国の男の子はレディファーストが身に着いてるんだねえ」
 「大事な人を大事にするのに、国とか関係ないと思いますけど?」
 クオンはにっこりと返しながら、しっかりと少女と青年の間の席に腰を落ち着ける。
 「ああ、そうなんだ…」
 社はなんとなく反応が悪い。恐る恐るといった様子でキョーコを見た。
 「キョーコちゃんは、いくつ?」
 「11歳です」
 にこやかに返る答えに、彼の眉根に皺が1本。なんとなく理由のわかったクオンは、またかと嘆息した。
 「ちなみに俺は、15です」
 「えええ!!?」
 幼女趣味とかじゃありません。と強い気持ちをこめて宣言すれば、社の眉間から皺が消え、代わりに派手な驚声が上がる。
 「何もそんなに驚かなくても」
 「いやだって、見えないよ…18は越えてるだろうと思ってた」
 「はあ」
 「クオンはきれいだし、落ち着いてるから年上に見えるんです」
 少年の横からキョーコが口を出した。
 「すごく、頼りになりますし」
 「キョーコちゃん…」
 クオンの頬にうすく血の色が上る。しかし強いて平静を装う様子を見て、社がニヤニヤ頷いた。
 「なるほど、そういう顔してると年相応に見えるかも」
 「ほっといて下さい」
 「あの、社さん」
 連れの窮地を救おうと思ったわけでもあるまいが、キョーコが勢い込んで口を挟む。
 「ん?何かな、キョーコちゃん」
 穏やかな微笑が返るのへ、彼女ははうはう瞳を輝かせて尋ねた。
 「昨日の服、とっても素敵でした!すごくお似合いで」
 ぴき、と社が引き攣る。
 「そ、そう、かな…あり、がとう?」
 「今日も見られるかなって思ってたんですけど、また着ないんですか?」
 びし、と社が凍った。
 「いやほんと、勘弁して…」
 「おお、君はなかなか筋がいい!」
 そこへ割り込んだ重低音。勿論ローリィ宝田、今朝の衣装は中世海賊風だった。中世ブームなのだろうか。
 「おはようございます、ボス…」
 「おはようございますっ」
 「おはようございます…」
 「おはよう、諸君」
 疲れた声の青年と少年と、生き生き弾けるような少女の挨拶に、彼は鷹揚に応えつつ自分の席に着いた。
 「監督は朝食は辞退するとのことだから、始めようか」
 ひとつ空いたままの椅子に目を遣って言うと、計ったようなタイミングでフランス窓からワゴンを押したメイドが現れる。
 各自の前に配膳されて行く間、名物社長は少女に向き直った。
 「昨日も思ったが、キョーコくんとはなかなか趣味が合いそうだ。君も、今度お姫様になってみるかね?」
 「お姫様…っ」
 大きな瞳に瞬く星々。クオンが低く呻いた。
 「ほんとに、勘弁して下さい…」
 呻いたとき社と目が合い、そこに何かの理解が生まれた。






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 キョ子さんコスプレデビューか?(笑)


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