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しぇるぶるー!(中編)

 「じゃあショーちゃんは、下の階に住んでるのね」
 「おー、ふぉーら」
 もっさもっさもっさ。
 ゲッ歯類2匹は、口いっぱい頬いっぱいに食べ物を詰め込んでいる。
 「私は、ちょっと前につるがさんとこの子になったの」
 「ふぉーか」
 それでもキョーコの方は一応飲み込んでから喋るのだが、尚と来ては次から次へと口に(よその)食べ物を放り込むやら咀嚼するやらたいへん忙しい。勢い言語が不明瞭になるのは当然として、加えてその合間に口の端からぷっぷか種を吐き飛ばすのがどうにも器用だ。
 「ショーちゃん、散らかしちゃ駄目じゃない。ああ、くちの周りもベタベタ」
 行儀のいい仔リスに叱られてもムササビはどこ吹く風、次はナニ行くかななどと呟いてトレーの上を吟味している。ちょっと涙目になっているのは、いい加減に噛んだ喉一杯のペレットを無理矢理嚥下したせいだ。
 「こまけーこと言うなって。お前こんないー暮らししてんだからさあ、もっと大らかになれよ大らかに」
 艶々した巨砲の粒を取って幸福そうに頬擦りしつつ言うから、キョーコの方は呆れるしかなかった。
 「もー、お行儀悪いんだから」
 ぷりぷりしながら尚の飛ばした種を拾い集めて土に埋める。それを見てムササビが笑った。
 「いいじゃん、そーゆーのリスの役目だろ」
 「えー」
 「木の実とか集めて、埋めては忘れちまうから結果的に森を育てるっつーさ。ちっちぇーオツムにゃちっちぇー脳ミソしか入らねえわな、そりゃ」
 よほどの好物なのかブドウをしみじみ味わいながら言うのだが、どこまでも一言余分なムササビではある。
 「やーしかし、森の匂いがするってんで上に登って来てみたら、こんなとこがあったとはな」
 だらしなく木の幹にもたれて自分の腹を撫でる尚に、キョーコがぱあっと笑顔を咲かせた。
 「すっごいでしょ!?つるがさんがね、私のためにってつくってくれたのよ!もうすぐ冬だけど、ここならあったかいからいっぱいあそびなさいって。あっちの隅に小さい穴があってね、お部屋とつながってるの」
 「あーハイハイ」
 はうはう背後を指すのへ、尚は呆れ顔で応じる。
 「お前のバカイヌシ、甲斐性なら充分ってわけだな。テラスまるごと温室にすんのに、一体いくらかかったんだかなー」
 ムササビの発言は微妙に世知辛い。仔リスはちょっと首を傾げたが、気を取り直したかえへんと胸を張った。
 「つるがさんはすごいの!かっこいいし、優しいし」
 「それさっきも聞いた。けどよー、俺の飼い主なんか、びっじーんのぼっいーんだぜ?こっちのがすごくね?」
 「ぼっいーん?」
 またわからない言葉が出て来た、とキョーコは目をぱちぱちさせる。それへ尚は、にたりと嫌な笑い方を見せた。
 「お前みたいなガキにゃ無縁のモンだよ」
 「~」
 馬鹿にされていることはわかるが理由がはっきりしない。リスは憤慨のしように困って頬を膨らませた。
 けけ、と笑った尚が立ち上がる。
 「さって、そろそろ帰るかな」
 「あ」
 「何だよ、そんな困った顔しなくてもまた来てやるって。まあさすが俺、キョーコごときを虜にすんのはわけねえってな」
 「あの」
 キョーコは高笑うモモンガと、高い位置の窓とを見比べた。
 「…どうやってここ出るの?」
 「へ」




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 勿論、万一にもリスが脱走したりしないように木の枝やなんかは窓から離れています(笑)。


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