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たいせつでたいせつで(126)

 「え、えっと…れん、さん?」
 真っ赤な顔で目を瞬くキョーコに、黒髪の青年があくまでも笑顔を保って頷く。
 「そう。さんは要らないけど。敦賀蓮」
 「つるがさん」
 少女は試すように呼んでみて、妙な顔をした。
 「髪も目もちがうし、お名前もべつで…知らないひとみたい」
 「えっ…」
 青年が白くなったところへ、やっとマカナンと社が近くまで来る。
 「おいおい、ほんとに坊主か。なんでそんな格好してんだ」
 大仰にのけぞる映画監督に、彼は迷惑そうな視線を送った。
 「大声出さないで下さいよ、せっかく変に悪目立ちしないようにって配慮してるのを台無しにする気ですか」
 顔をしかめるのを見てマカナンが頷く。
 「なるほど確かにチビズリだ」
 「それをやめて下さいってば。日本にいる間は、俺は敦賀蓮と名乗ることになってますから」
 「ふん?日本名ってやつか。それも目立たねえように?」
 「ええまあ…他にも理由はありますが、ともかく今はそういうことです。社さんにもお願いしますね、俺のことは蓮って呼んで下さい」
 クオンはぽかんとしている眼鏡の青年にも念を押した。社が一瞬戸惑ってから頷く。
 「あ、ああ。よくわからないけど…わかった。蓮、だね」
 「はい」
 「それで、この後の予定に変更があるわけじゃないんだよね?大丈夫なら、社長に言われてるところへ案内するけど」
 ガイド役は気を取り直す動作なのか眼鏡の位置を直し、腕時計を確かめた。クオン改め蓮がそれに軽く会釈する。
 「はい、お願いします」
 「じゃ、車拾うから」
 社が通りを指すので、蓮も立ち上がった。勿論、キョーコに手を差し伸べるのを忘れない。
 「行こう、キョーコちゃん」
 「う、うん…」
 しかし少女の反応が鈍い。さきほど別人のようだと言われたばかりでもあり、青年はふと顔を曇らせた。
 「どんな格好してたって名前使ってたって、俺は俺だよ?」
 勝手な理屈ではある、と自分でも思いながら言う。少女の前ではそうありたいと、彼自身が願っているのだろう。
 「あ。えっと…うん、そう、よね」
 おずおず差し出すキョーコの手を取ると、またしても周囲から悲鳴が上がる。
 「なあ坊主」
 マカナンが呆れ顔で振り返った。
 「なんです」
 用心する口調の蓮に、彼はぽかりと言い放つ。
 「お前さあ、全然目立たないようにできてねえだろ。あと、そうやってると余計老けて見えるから、まるっきり幼女誘拐犯な」
 「………」
 青年は少女と繋いだ手を見下ろしてから映画監督を睨んだ。
 「ほっといて下さい」





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 あー。キョ子の前に屈んでる蓮の扉絵、何巻でしたっけ。あれに近いカンジだと思います。


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