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ROMANCIA 4

 炎。闇に紅く浮き、彼らを追い立てる。
 荒々しく叫び交わす声。
 せわしく跳ねる息遣い。
 彼を見つめる悲痛な瞳。
 『行って、下さい』



 「………」
 木の幹に背中を預け、レンは片手で自分の目を覆った。
 「彼女だ」
 低い呟きがその唇から零れ、沈むように大地へ振れ落ちていく。
 「彼女、だ…」
 もう一度、今度はより弱く。
 会いたかった、と吐息が囁く。
 会いたかった、会いたかった、あいたかった。
 けれどその一方で、会うことが恐ろしかった。
 なぜなら、彼女は呪われている。
 『グロウディル、私の竜』
 この上なくやさしく彼を呼んだために。彼を愛したために。その、罪のために。彼女は、世界に呪われてしまった。常に非業の死を遂げる運命に結び付けられてしまった。
 それでも、普段は彼女は守られている。
 あの蒼い石だ。
 かつて彼の与えた石が、彼女の愛を、記憶を封じることによって彼女を守っている。しかしひとたび真の主たる彼の放つ膨大な生気に触れれば封印は緩み、石はまず呪いを吐き出す。その呪いが彼女を滅ぼす前に、彼らはそれを退けるほどの調和を得ねばならない…
 幾度も失敗した。彼女を失い続けた。
 戦争の災禍の中に、
 人の業悪によって、
 あるいは不慮の事故、あるいは疫病、またあるいは…
 レンは力なくかぶりを振り、不吉な想念を振り払う。
 手を伸ばさねばよかったのか、と思った。森で倒れていた彼女をそのままに、立ち去れば。
 しかしそれで彼女が行き倒れたまま命を落としたら?やはり、呪いによる弊害のひとつになるのだろうか。
 いずれにせよ、もう遅い。二人は出会ってしまった。
 男は眇めた目を天へ投げ、ごく低く呟いた。
 「君は、俺を愛さなきゃいけない……」





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 この回に長編2本分ざっくり入ってたり。


 
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