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ROMANCIA 6

 「だけどまず、魔法の行使に耐えられるだけの体力を回復させないと」
 「は、はい」
 レンは面目なさげに視線を下げる娘のつむじを見ながら、ほんの少し困った顔をした。
 「だからしばらくは静養に努めて…そのあとで魔法修業、ってことでいいかな?君が納得するまでつきあうから」
 ままよと彼は口にしてみた。それは彼のための時間稼ぎに他ならない…先ほどとはまるで違う言動を、彼女は違和感なく受け入れてくれるだろうか。
 キョーコがぱっと顔を上げる。
 いっぱいの笑顔を。
 「ありがとうございます!!」
 「え…あ、いや…」
 「精一杯頑張りますので、よろしくお願いいたします。あ、それでは…お世話になる代わりと言っては何ですが、家事や雑用の類はお任せ下さいませっ」
 はきはきと言われて、レンは眩しげに目を細める。
 「君は変わらないな…」
 うっかり洩れてしまった微笑を慌てて片手で覆うがもう遅い。目を瞬く娘に、彼は微笑を作り直して手を伸ばした。
 彼よりもずっと小さい、白い手を取って持ち上げる。
 「手相に出てるんだ。働き者で真面目なしっかり者、しかも凝り性だってね」
 「手相もご覧になるんですか!ますますスゴイですっ」
 ひとしきり感心し出すのへ、心の中で『おまけに単純』と付け加えて、レンはそっと苦笑した。ふと気付くと、キョーコの手をいつまでも握ったままにしている。
 「…!」
 離したくない、という感情が不意に湧き上がり、彼の全身を席巻して行く。
 (これは…)
 信じがたい。レンはふるえるような呼吸を呑んだ。自分は急激に、一瞬ごとに、彼女に惹かれていく。なんと進行の速い、この感情を。
 覚えている、と胸の底が疼く。
 彼女だからなのか、彼女だと思うからなのか。理屈はつけかねるけれど、確かに思いは育ちつつあった。
 そしてあるいは…彼女も?
 徐々にうす紅に染まる小さな手は、やや速い脈を指先にまで伝えている。
 戸惑いと、期待と、しみじみとした愛しさと。錯綜する感情を持て余すレンの唇を、小さな吐息が割った。
 「ああ…」
 キョーコが、何を感じたのか顔を跳ね上げる。まともに2人の瞳が合った。
 震え、手を離したのは、どちらが先だったのだろうか。




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 またしても風邪気味…ぬーん。左目が涙目になってて画面が見づらいのよん。とほほ。


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