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ROMANCIA 15

 そうだ、こうして触れた。
 自分でも戸惑うほどに強い確信を覚えた。以前にも、こうして。
 だけど出会った時じゃない。もう少し経って、彼に会うために森へ入るようになって。珍しがり面白がっていた彼がやがて呆れるくらい、通った…
 そのうちに。
 「えっ?」
 キョーコは自分の心臓が跳ねる音を聞き、ぎちりと固まった。
 そのうちに、何だと?
 レン(というのは、そもそも本名なのだろうか?どうも、そうではない気がして仕方ないけれど)が言うには、自分は何かを忘れているらしい。そして、それは彼にとってとても重要なことだというようにも見える。
 おずおずと見上げた時、竜の瞳がふと緩んだ気がした。
 同時に彼は、その姿を変え始める。輪郭を縮め、丸い頭に細く長い手足、ただし髪も瞳も黒く。
 気がつけば、彼女は眩しいような美青年の頬を撫でていた。
 「…!!」
 羞恥の炎を噴き上げ、キョーコは勢いよく飛び退いた。
 「きゅっ、急に人型にならないで下さい!!」
 ぶんぶん指を振り下ろして抗議するが、自分の眉が情けなく下がっている自覚がある。恥ずかしさをごまかしていることが恥ずかしくて、もう引っ込みがつかなくなっていた。
 この場をどうしたらいいのだろう、と思った瞬間、まだ抗議行動を示していた手をがっちり捉えられた。
 「えっ」
 「こんな風だった、ね…」
 レンが目を細める。キョーコの手を自分の頬に当てさせ、それを自分の手で包んだ。
 「あ、あの」
 女魔道士の大きな目はおよおよと落ち着かず、唇は何事かかすかな呟きを洩らしている。
 「だってそんな、竜だし、でも男の人にこんな、いえだから竜なのよ、人とは感覚がちがうんだわきっと、だからでもでもまえのときは…前ってなに、いつ!?」
 ぷ、と息の洩れる音がした。
 たまらず笑い出すレンが、ぐいとキョーコを引き寄せた。
 「!?」
 一瞬で腕に収められている自分を発見し、娘は目を白黒させる。
 「ななな」
 背の高い青年が、まだ笑いながら言った。
 「ああもう、いいよ。思い出さなくてもいい」
 「はい!?」
 急に言うことが変わったと妙にうろたえながら、キョーコはどうにかもがいて視線を上げる。すると黒い、澄んだ瞳に出会い、そこに何かとても豊かなものが揺れるさまを見る。
 手足が、しびれたように動かなくなった。
 「だって、君は君のままだ。だからそのまま…俺にもう一度、恋をして」






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 なにコイてんですかもう。やってらんねーよ。けっ。

 あ、春花舞(BUD BOY)も更新しました。
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