スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
web拍手 by FC2

フォルトゥナタ(14)

 「あのう…このあたりで、結構です。家まで、もうすぐですし」
 キョーコの借りている部屋は、フォルムと壁を隔てた裏側の町、スブラ地区の裏通りだと言う。そのフォルムも近くなったというあたりで、彼女は体を捻って振り返った。体の横を通って馬の手綱を握る青年の腕に、できるだけ触れないように身を縮めて。
 クオンティヌスがすこし目を眇める。
 「駄目。家までちゃんと送らないと、心配で帰れないよ」
 「え、えっと」
 ほとほと困り果てた様子でうなだれるから、今度は彼が困った口調で尋ねた。
 「そんなに、俺に送られるのが迷惑?」
 「えっ!!?」
 キョーコが心持ち飛び上がった。
 「めめめ滅相もない!あの、有難すぎて信じられないと申しますか、嘘のようなホントの話でございますっ」
 「そう?ならいいけど。それと、父の話もちゃんと検討してくれる?クリエンテスに、っていう」
 「あっ…」
 「君がこれからもうちに関わってくれるなら、俺も嬉しいな」
 「へゃい!?いえあの、でも。恐れ多いです…私はペレグリーヌスで、そもそも女ですし。選挙権とかないわけで、そんなの抱え込んでもクーヤヌス様には何のメリットもありませんのに」
 パン屋にして料理人たる娘はもそもそ言う。
 「メリットならあるだろう。父も言ってたじゃないか。君の才能は…
 「キョーコ?」
 言う途中で、ぴたりと動かなくなっている娘に騎士は気付いた。細い肩に手を置くとキョーコはびくんと跳ね、のろのろ彼を振り返る。
 「…あ…」
 白く褪めた顔色が夜目にも明らかで、クオンティヌスは思わず騒ぐ胸を押さえる。
 「どう…したの」
 「あ、あの、あれ…」
 細い指の指す方向を見れば、フォルムの正門。そこにこの深更、ひとかたまりの人間が屯している様子が見て取れた。青年騎士は更に目を凝らす。
 数珠繋ぎになった人々を急き立てて門をくぐろうとしている男たちがいる。どうやら奴隷商人のようだ。
 「なん、で…」
 キョーコが震える声で呟いた。
 「どうした…?」
 クオンティヌスはその視線を辿り、縄で繋がれた粗末な服装の人々の列を見た。
 中に、見た顔があった。






web拍手 by FC2
 
 


 しーません今日はやたらにめむいです。もおだめ…


関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

検索フォーム
作品一覧
サイト「花うてHP!」トップよりブログ内の作品のリストに飛べます。閲覧者の皆様のアクションに対して加算させて戴く「花うてポイント」の説明・管理もこちらよりどうぞ!

作品リスト(サイトトップ)

アクセス

・メールフォーム

・BBS

リンク

◆リンクページ


◆当ブログへのリンクについて

当ブログはスキビコンテンツをお持ちのサイト様に限りリンクフリーといたします。


ブログ名:花のうてな

管理人名:みなみ なみ

URL:http://hananoutena.blog14.

fc2.com/


 ↓各ジャンルごたまぜの本サイト。

↓スキビの同人誌作品をブログ記事として収載・販売しています。(2014年7月までで更新停止)

 ↓BUD BOY二次です。


  • 管理画面
  • RSSリンクの表示
    QRコード
    QR
    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。