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たいせつでたいせつで(154)

 「おいこら、ちっちぇーババア」
 マカナンはにこにこと口を開いた。ぎょっと目を剥く社青年をは気にせず、そのまま喋り出す。
 「アンタ、はるばる海渡って会いに来た孫になんて言い草なんだよ。嬢ちゃんがアンタのちんけな財産狙って来たとでも思ってんのか?自惚れんじゃねーぞ」
 「か、監督さんっ」
 大慌てに慌てだしたのはキョーコの方だ。祖母はいきなり早口の英語でまくし立てられ、ただ眉を顰めている。
 「この嬢ちゃんはついこないだ母親の墓建てるくらいラクショーで稼いだばっかだっつの。アンタに頼ろうとしたわけでも何でもなくて、単に筋通しに来ただけだろーが。ふざけんな」
 「あのそんな、私だいじょうぶですから…慣れてます、から…」
 「バカ言うな!」
 マカナンの顔色が変わった。
 「そんなもんに慣れる奴なんかいるか。ヘーキなふりして溜め込むから、あんな…」
 ほとんど怒鳴るように言いかけて、彼は不意に口を噤む。荒々しい鼻息を噴いてから、ちらと天井を仰ぐ。
 そこに忍者でも探しているのではないかと社は疑ってしまったが、さすがにそういうわけでもなかったようで、米国中年はしぶしぶ首をすくめた。
 「悪かった。嬢ちゃんに当たるこたねえよな」
 「い、いえ…」
 「何ですのん、急に」
 2人でもぞもぞしていると、キョーコの祖母が尖った声で割り込んで来る。
 「ちょっと、そっちのあんたはん、通訳やて聞きましたえ。このお人、なんてゆうてはりましたの」
 鉾先を向けられた社には、とばっちりに等しい。
 「ええとですね、マカナン氏は…キョーコさんがお母様のお墓を建てるに充分な財産を所有していることを指摘なさってまして。こちら様にご迷惑になるようなことはないと…」
 四苦八苦して繋ぐ言葉はものすごい意訳と言えるが、この際は致し方ないところだろう。
 「ただキョーコさんとしては、こちら様にご挨拶もないまま勝手なことをしてご気分を害しては、という気遣いから伺ったまでのことです」
 「おいメガネ、ついでに、嬢ちゃんの里親が正式な養子縁組したがってることもゆってやれ。惜しくなっても返さねえぞって」
 横からまたしてもマカナンが口を挟む。言う内容はともかく、言葉遣いを何とかしてくれなくては訳しにくくて仕方ないと社は心中に嘆息した。反して、キョーコはびっくり目で固まっている。その上気した顔を見て、彼は自分の口元に自然な微笑が浮かぶのを覚えた。こういうのを、勇気づけられた、と言うのだろうか。
 「また代理人であるマカナン氏によりますと、キョーコさんが現在預けられている家でも、正式な養子縁組を望んでいるとのことです。そうなればますますこちら様とは縁遠くなりますから、今のうちにお話させていただくのが適当かと存じます」
 背筋を正し言い切る社を、老婆は難しい顔で見た。





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