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フォルトゥナタ(17)

 どかん、という音を聞いた気がして、キョーコはぐらりと頭を揺らした。何か爆発したのか、まさか醸造中のガルムがと心配しかけて、音が自分の頭の中でしていたことに気付く。
 なんという。
 なんということだろう。
 あの、“イリストゥリス”が。会って間もないただの外国娘に愛の告白?
 そんなばかな、とまず思った。そうだ、きっと上流階級に属する人間の悪趣味な暇つぶしで、頷きでもすれば途端に笑いながら去っていくのでは…
 クオンティヌスが?
 目の前にいる青年は、どうしてもそんなタイプには見えない。そう言えば初めて会った時から助けてもらって…
 「って、どうして?」
 「え」
 思わず声に出してしまい、騎士がすこし目を丸くした。じきにどう合点したのか、小さく微笑む。
 「君を好きになった理由なら、出会ってから今までの時間全部」
 「ふぇ!?いえ、そっそうではございませんで、その、初めてお会いした時にも助けて戴いたなと」
 「ああ…」
 キョーコはしどろもどろに言い、いまだ囚われている自分の手をちみりと引っ張ってみる。少しも動かない。
 クオンティヌスが目元を緩めて立ち上がった。
 「それも、理由というなら同じだね」
 自分の指輪を外し、それを開かせたキョーコの掌に落とす。
 「これを預けておくよ」
 「え、と…?」
 「俺の印章がついてるから、好きなものをお買い」
 「えええ!?だ、ダメですそんな」
 突き返そうとする手は、大きな手で包まれて握り込まされてしまった。
 「ほかの男のために心を痛める君なんて見たくない」
 「なっ」
 「だから…そうだね、とりあえず…俺の気持ちを受け取ってもいいと思えたら、それを使って」
 キョーコは怯える小動物のようにカタコト震えている。ぶるぶる首を振ろうとして、思うように動けずに目線を落とす。自分の手が目に入った。
 「…あのっ!!」
 突然、彼女は顔を跳ね上げる。驚くクオンティヌスにつかみかかり、見上げる瞳が次第に晴れて行った。
 「でしたら、ですね」
 「う、ん?何、かな」
 突然の変貌に驚きが半分、決心がついたのかと期待半分といった風に騎士が曖昧に促す。
 それはキョーコは、ないすあいでぃ~あとばかり張り切って言った。
 「それでしたら。私を、買ってください!!」
 「キョ、キョーコ!!?」
 クオンティヌスの声は、悲鳴に近かった。





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 キョーコって頭いいのに突拍子もないですよね。


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