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きみだけをみてる〈中編)

 「社さん」
 「わあっ!?」
 突然背後から声をかけられ、社は携帯をお手玉してしまった。結局落とさずにつかまえられたのは摩擦の高いシリコン手袋のお蔭で、ひとかたならぬ働きというべきかもしれない。
 ともあれ、慌てて振り返った眼鏡のマネージャーは、そこに立っている担当俳優を見て笑顔を浮かべた。
 「ああ、蓮。丁度よかった、いま終わったって連絡しようとしてたんだ」
 携帯をポケットに戻して手袋を外しながら、彼は悪戯っぽい視線を流す。
 「でも、お前の方が早く来るとは思わなかったな。キョーコちゃん、まだ時間あるはずだけど早めに次の仕事に行っちゃったのか?」
 にこやかに尋ねるが、蓮は緩く首を振った。
 「会ってません」
 「へ。え…いなかったのか?予定が急に変わったのかな」
 なるほどそれで機嫌が悪そうなのかと社は心の中で納得を呟く。すると俳優が瞳を据えた。
 「社さん」
 190cmオーバーの長身にずいと寄られれば、誰でもつい腰が引ける。
 「な、何だ?」
 それでもちゃんと話を聞こうとする有能にして温和なるマネージャーに幸あれ。しかし天が照覧あったとしても、恵慈は常に与えられるものではない。
 瑕疵なき端貌は影を差したまま、地を這うような問いをこぼした。
 「最上さんと俺の差って、何だと思いますか?」
 「…は?」
 社は切れ長の目を瞬いた。またしても面倒の気配が濃いとばかり、微妙に眉間が寄った。
 「なんでそんなこと聞くんだ?お前はキョーコちゃんとやっと付き合えるようになって幸せ絶頂、悩みなんか山の向こうって状態かと思ってたけどな」
 「いえ、さすがにそこまでは…と言うか浮かれてたのは、それは、認めます。でもちょっとこう、頂上からいきなり突き落とされたと言うか突き落とされそうと言うか」
 「…お前、今度は何したの?」
 妙に突出したり、そうかと思うと八つ当たりのような真似をしたり、過去の行状から俳優はイマイチ信用がない。じっとり見てやると、彼は心外そうに顔を引いた。
 「何もしてません。と思うから、聞いてるんです」
 「じゃ、何言われたんだよ」
 蓮がしばし黙る。
 「蓮?」
 社は腕時計を確かめ、とにかく移動しようと促した。
 「じゃあ話は車の中で聞くから、現場に着くまでに気持ち立て直せ?」
 蓮がそっと溜め息をつく。
 「わかってますよ…」
 おやこれは確かになかなかの凹みようだ、と眼鏡の奥の瞳がくるりと動いた。




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 もしかしてあたくし、まともなヘタ蓮(どんなだ)書くの久しぶり?
 

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