たいせつでたいせつで(159)

 もうひとつ複雑な空気の漂う夕食の間、終始ご機嫌なのは一人だけだった。勿論映画監督だ。鮎の甘露煮をつついてはタイショーに負けないの鮎飯を頬張ってはタイショーより優しい味のと褒め上げる。
 大いに照れ笑う少女が愛らしい。蓮は幸福そうに食事をするが、何かの拍子にもそもそ食べている少年に視線が移るとどうにも険しくなってしまう顔と心をどうしようもなかった。
 いっそさっさと食べてとっとと帰ればいいのにと思うのだが、案に相違してショータローは食後もドリル片手に居座った。
 「もう夏休み半分以上終わっちまったからなー。めんどくせーけど、やっとかねーと先公がウルセーし」
 「ショーちゃん、そんなこと言っちゃだめよ。先生は先生じゃない」
 「今の担任、ガマ鉄だぞ。先公でたくさんだっつの」
 「えー、鉄田先生なの?なつかしい」
 幼馴染たちは彼のわからない話まで始めるので、蓮は新聞を読む目もついつい逸れがちに疎外感と戦う。それを、笑いを堪える顔で見ている社に気付き、ぶすりと背を向けた。いつの間に洗い物当番から戻って来たんだ。
 居間代わりになっている座敷には全員集合の観。ショータローがふと目を上げて呟いた。
 「マジで男ばっか。つかオッサンばっかな」
 約2名がオッサンとはと目を剥く。
 言葉の通じていない本当のオッサンはのんびりテレビを見ていたが、ふと振り返ってその様子を目に収めた。なんとも目敏いと言うか、見逃さないあたりは職業柄か。
 「ショーちゃん、蓮さんと社さんはおじさんじゃないわよ?」
 キョーコが健気に言い出す。言葉が通じていたら映画監督はじゃあ俺はと茶々を入れるところかもしれないが、あいにくか幸運かそうでなかったため、マカナンはかわりにのんびり尋ねた。
 「嬢ちゃん、ユカタ着ねーの?」
 「あ、えと。後で、ちょっと着ようかなって」
 「ユカタ?」
 やはり単語に反応したショータローが視線をよこす。
 「明日用か?」
 「え」
 「明日は八幡さんの縁日だろ」
 ぽいと言われてキョーコが手を拍った。
 「あ、そうか!」
 「昔お前、スゲー行きたがってよー。でも大人の手が空いてなくて、子供だけで行っちゃ駄目だって言われて泣きそうになってやんの」
 「う…だって」
 つつき合うような会話に、蓮はついに焦れた。
 「キョーコちゃん、明日お祭りがあるの?なら、一緒に行こうか」




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 日本編ももうちょっと~。お邪魔ムシ撃退成るか。


 ところで、みかんをもろたのですきゃっほう。嬉しい嬉しい。M穂さんありがとうございます~!みかん大好き~vv←本気で喜んでいる(笑)。
 ミカンと天津甘栗と殻つきのピーナッツがないと人生の色が褪せる…だから秋冬が好き~。



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