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SWEET&SWEET(前編)

※今回は蓮×キョではありません。リク内容は「社さんに恋するキューティハニーなキョーコちゃん」ということで、キョ×社のパラレルストーリーとなっております。それはダメ!という方は飛ばして下さいましね~。※











 「社さ~ん!」
 銀の鈴を振るような呼び声に、駅舎の時計を見上げていた青年が視線を向け変える。ミントグリーンのカットソーにジーンズという簡素な服装の少女が、ぶんぶん手を振りながらまっすぐ駆け寄って来るところだった。
 「そんな走らなくてもまだ時間は…
 「ああ!!」
 慌てた声を上げ、社は自分も走り出した。舗石に蹴っ躓いてわたわた両手を振り回す少女へと向かって。
 ドサリ。
 間一髪受け止め、彼はほうと安堵の息をついた。
 「す、すいません社さん。ありがとうございました」
 腕の中の少女が真っ赤な顔で身を離しながら謝る。
 「君を守るのが俺の仕事だから。でも、気をつけて。ケガや病気は極力避けてくれないと」
 「はい…ごめんなさい」
 ぴしりと釘を刺すと、少女はしおしおと頭を下げる。それを軽く撫でて、社はちょっと笑った。
 「まあ無事だったからよしとしよう。さあ、じゃ行こうか。まず事務所へ行って、広報でポスターの刷り見本確認するからね」
 「はい!」
 2人はにっこりと頷き合い、契約スペースの鍵を開けそれぞれのマシンを引き出した。シュガーピンクとネイビーブルーの、ママチャリ。
 その頃になって、周囲には少しずつざわめきが湧き上がり始めていた。
 「なあ、アレ京子じゃね?」
 「うっそマジ?」
 「地味なカッコしてっけどさあ」
 「てかママチャリって…」
 遠巻きに見ている人々に横目を流し、社は少女を促す。
 「行くよ」
 「了解です!」
 レディ・ゴー。2台のママチャリは軽快に走り出した。




 社倖一24歳、新人タレント“京子”の担当マネージャー。
 大手芸能プロダクションLMEに入社して、1年半と少し。これまでは所内の各部署をたらい回しにされていたのだが、その際に温厚にして明敏な彼は固有の人脈を築き上げ、その手腕から売り出し中のタレントのマネージャーに抜擢されたのだった。それが2ケ月ほど前のこと。
 京子は頑張り屋だし素直で手がかからないから二人の間には問題もなく、タレントとマネージャーは力を合わせて芸能界を順調に漕ぎ渡って行こうとしているところだった。
 …のだが。
 この日に限り、二人には試練が訪れていた。
 「いっちゃーく!」
 元気よく叫んでLME本社ビルの壁に手をついた担当タレントに、社は息を弾ませながら苦笑する。
 「また負けた…本当、京子ちゃんいい脚力してるよね」
 「ありがとうございます!」
 乙女に向けるには褒めているのか微妙な言葉だったが、少女は素直に頬を染める。
 「でも、社さんだって営業部で“踵に翼を持つ”って言われてたって聞きましたよ」
 ペルセウスか。社は誰がそんなことをとますます苦笑を深めた。
 「いやあ、京子ちゃんには敵わないよ」
 「そんな…恥ずかしいです」
 えへっ。微笑みあう二人の周囲には、やわらかなシュガーピンクの花が飛び交い出す。
 2人はそれぞれのマシンを置きに、ビル裏手の駐輪場へ回った。そこで、見覚えのある後姿を見かける。
 「椹さーん、おはようございます!」
 キョーコが元気よく声をかけると、LMEタレント部の主任は機嫌よくくるりと振り返った。
 「おはよう、その声は最上君かな…」
 「はいっ」
 「おはようございます、椹主任」
 「ああ、社君もおはよう…
 「って君達!?」
 いきなり声のトーンを上げるタレント部主任に、タレントとマネージャーは驚いて足を止める。
 「あの、何か?」
 そろりと尋ねる社に、椹は目をいっぱいに見開いたまま人差し指を上げた。2人を指す。正確には、2人の自転車を。
 「そ、それ…」
 「この自転車がどうかしましたか?」
 キョーコが不思議そうに尋ねる。
 「どうかって、君達、まさか…ずっとそれで移動してたんじゃないだろうな…!?いや普段は交通機関か?しかしそれも…」
 え、と2人の声が揃った。
 「してましたけど。便利なんですよ、自転車。渋滞知らずだし、健康にも環境にもいいし」
 「京子ちゃんはいい脚力してますし裏道もよく知ってますから、下手に車使うより速いくらいですよ」
 「ばっ…
 「ばっかも~ん!!!!」
 椹の雷に、キョーコも社も飛び上がった。
 「え、え、あの」
 「君達には芸能人とそれを守るべきマネージャーという自覚があるのか!!街中を身一つで爆走して回るなんて冗談じゃない、何かあったらどうするんだ!!車を使え、車を!何なら社用車を貸与するから」
 「あの、でも俺、免許持ってないんですが」
 恐る恐る社が手を挙げた。あまり触れて回るようなことはしていないが、彼には車の運転ができないわけがある。
 椹はしかし、そんな理由を聞くこともなく憤然と拳を振った。
 「じゃあタクシーだ!」
 「そんな、勿体無い…私、社さんと一緒に自転車で走るの大好きです。このままで…」
 「だ・め・だ!!」
 京子が一生懸命言うが、言下に拒まれた。
 「あまり勝手なことを言うんじゃない。君の体は我が社の財産なんだぞ?もっと大事にしたまえ」
 「でも…」
 「いっそ、社君には君の担当を外れてもらって、ちゃんと車の運転のできるマネージャーを探すか…」
 「ええっ!!?」
 「椹さん!!」
 「仕方ないだろう、最上君」
 悲痛な声を上げるタレントに、統括者は困ったように言う。
 「君は芸能人だよ?無防備に自転車なんかで生身を曝して回っていいはずがない」
 「しかし主任!」
 「なら当面タクシーでも使って、社君はすぐ免許を取るか?」
 「そ、それは」
 「椹さん!社さんはっ…」
 言いかけたまま、京子は不意に黙り込んだ。じっと何か考え込む。
 「京子ちゃん?」
 「最上君?」
 男たちが視線を集める先で、彼女はひとつ頷いた。決然と。
 「わかりました、椹さん。仰るとおりにします。ただし…」
 少女はまだ幼さを残す頬をきっぱりと引き締め、大きな瞳を等分に2人に向ける。腹から発せられるしっかりした声。
 「その前に、一つ賭けをしましょう」





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 はい、今回はみなみなみデー・6/1 11:16の方のリクエストを受け、「SWEET&SWEET(前編)」をお届けしました。ちょっと意外で、でも何だか新鮮で面白そうだな、と。
 思ったのに…
 …なんか違う。恋まで行ってない感じ。
 しかも後編は、「キュ…キューティハニー…???」なことになりそうな予感大です。あ~…え~と…
 すいませんm(__)m
 あと、椹さんにもごめんなさい、あんましいい役じゃなくて。
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