スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
web拍手 by FC2

ROMANCIA 26

 こそ、と擦れた音が鳴る。
 びっくり飛び上がるキョーコの様子に、レンが小さく噴き出した。
 「風だよ」
 「は、はい。でもこのあたり、たまに蛇が出るって」
 女魔道士は怖々足元の草叢を覗き込む。青年はもうひとつ笑って少し先の木の根方を指した。
 「うん、あの辺にもいるね」
 「ええっ!?」
 ばびゅ、と娘が飛んで来た。竜の化身の腕にしがみつく。
 「ややややだ、毒?毒持ってるんですか!?噛みませんよね!!?」
 「いや、うん…大丈夫。俺といれば、近くには来ないから」
 「そうなんですか!?よかった…」
 安堵したら状況も見えたらしい。彼女は慌てて男から離れ、やだもうと自分の頬をさすった。
 「キョー…」
 「えっと、術です!!さ、さっさと終わらせてテントに戻りましょう!」
 ぶんと両手を振って言い切れば、何か言いかけていたレンが口を閉じて苦笑する。前に差し出した手のひらの上にぼんやりと光がともり、数度明滅して冷えるように消えた。あとに、黒っぽい艶を放つ一枚の鱗。こんな闇の底ではその色は目には映らないけれど、心には染むように映っている。
 「はい」
 青い鱗を手渡され、キョーコは両手で受け取った。
 「呪文もあげるから、そのまま手を出してて」
 レンに言われて動作を止める。
 そっと伸ばされて来た大きな手が、彼女の両手をぬくめるように包んだ。小さく肩が動くのを、キョーコは意思の力で抑え込んだ。こっそりと青年の顔を盗み見る。
 伏せられた眼の奥に歳月を湛えた瞳が隠れ、端正な顔はいつもよりさらに若く見える。人の年齢と比べても仕方ないけれど、実際にはいくつなんだろうと疑問を覚えてしまった。
 「キョーコ?集中して」
 「す、すみません」
 慌てて注意を戻すと、街でも経験したように頭の中に呪文が紡ぎ出されて行く。水と…風と地の力も関わるのか?地中を進む白い蛇のようなイメージ。この蛇なら、むしろ来てもらわなくてはならない。
 脳が熱くなる心地がした。自分の中に新しい魔法が宿るのを感じる。
 「…ね」
 レンが何か言った。ぼんやり上げる瞳に、やわらかい微笑が映る。
 「君のイメージ力は、すごいね」
 キョーコは自分の手が、青く清らかな輝きを放っているのを見た。水のように澄んだ。





 
  web拍手 by FC2
 
 


 傍から見たらすでにバカップルじゃね?


関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

検索フォーム
作品一覧
サイト「花うてHP!」トップよりブログ内の作品のリストに飛べます。閲覧者の皆様のアクションに対して加算させて戴く「花うてポイント」の説明・管理もこちらよりどうぞ!

作品リスト(サイトトップ)

アクセス

・メールフォーム

・BBS

リンク

◆リンクページ


◆当ブログへのリンクについて

当ブログはスキビコンテンツをお持ちのサイト様に限りリンクフリーといたします。


ブログ名:花のうてな

管理人名:みなみ なみ

URL:http://hananoutena.blog14.

fc2.com/


 ↓各ジャンルごたまぜの本サイト。

↓スキビの同人誌作品をブログ記事として収載・販売しています。(2014年7月までで更新停止)

 ↓BUD BOY二次です。


  • 管理画面
  • RSSリンクの表示
    QRコード
    QR
    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。