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たいせつでたいせつで(163)

 「………あ?」
 マカナンは、たいへん珍妙な顔をした。呆れるような、笑い出しそうな。
 「嬢ちゃん、いくつだっけ」
 尋ねるが、本当にキョーコの年齢をわかっていないはずはない。つまり、
 「子供だって言いたいんですね…」
 キョーコが口蓋の上部でもそもそ呟くと、映画監督はせり出した腹を撫で撫で斜め上の夜空を見上げた。
 「まー、事実だしな?」
 「う…そうですけど、年よりもっと、って意味でしょう?」
 少女の口調は恨みがましいようで自覚のもとにある。
 「でも、わからないものはわからないんですっ」
 開き直るように言うが、果たして本心そのままなのかは自分でも整理できていないに違いない。
 「ふーん…」
 マカナンは鼻息を落とすように唸って腕を組んだが、浴衣の袂がひきつれてかすかにみしりと鳴った気がした。うっかりそちらに気を取られたキョーコに、彼はくるりと瞳を動かして尋ねる。
 「ほんとに、俺に聞きたいか?」
 「え」
 少女が虚を衝かれたように絶句した。
 「俺が答えてやることは、そりゃ簡単だけどさ。それ、意味あんのか?」
 「監督さん…」
 ふりょー中年の口調はいつもと変わりなく軽い。しかしその裏に何かもっと…やさしいものがあるようで、キョーコは言われた言葉の意味をよく考えなければという気持ちになった。
 「えっと…答えは自分で出さなきゃいけない、ってこと…ですよね」
 マカナンが笑う。
 「ちっと違うかなー。答えは、勝手に出ちまうんだぜ。たぶん」




 「あ、戻って来た」
 社の声に、蓮の肩がぴくりと動く。
 それに気付いたバイト青年が視線を向けると、彼は不安げに視線をうろつかせている。ショータローは適当にブラついて来ると言って姿を消していた。
 キョーコも、元気いっぱいというほどの様子には見えない気がするが。先程の一件に答えが出ていないのはむしろ彼の方なのかもしれないと思い、社はこっそり近付いて来る二人連れと蓮とを見比べた。
 長身の青年が、木の下闇に包まれたベンチから勢いよく立ち上がる。




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 キョ子てごわい…


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