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フォルトゥナタ(33)

 皇帝主催の饗宴の日がやって来た。数日に分かれて各軍団の将校及び下士官クラスが招待されると言うので、市中では軍団に入っておけばよかったと悔しがる者が続出したらしい。
 そして壮麗な王宮の奥まった一角、吹き抜けの厨房では若きアルカ・マギールス(料理長)の指揮のもと、数々の料理が作られている。
 「目が回りそう~」
 さすがに経験のない規模の宴会とあって、料理を作りながら指示しながらくるくる立ち働くキョーコが呟く。とは言え、彼女はどこか楽しそうにも見えたが。
 するうち、
 「キョーコ」
 入り口にひょっこり端正な顔が現れる。王宮に勤める者、いやローマ人ならば知らぬ者とてない一の騎士の姿に、立ち働く人々の間で空気がざわついた。
 “イリストゥリス”がなぜ厨房などに現れるのか。という疑問の中を彼はさっさと突っ切って、かまどの前で鍋の蓋を上げている娘に近付く。
 「クオンティヌス様」
 周囲の動揺を感じつつ、キョーコは困った顔を振り向けた。まだ、夫と呼ぶ勇気の出ない人に。
 「こんなところにいらっしゃって…」
 少し咎めるように言ってもどこ吹く風、青年騎士はにこやかに歩み寄って彼女の前に立った。
 「君のいるところなら、俺はどこだって行くよ?」
 軽く引き寄せて額に唇を当てる。
 「に゛ゃっ」
 妙な声を発して飛びのこうとするのを、戦士はすかさず捕まえた。
 「火の前で急に動いたら危ないよ」
 「あ、あなたがっ」
 料理人は言い返しかけたが、自分たちに向けられている真ん丸な目の数々に気付いて言葉を忘れる。やむなく、ぼそぼそと用向きを尋ねた。
 「でも、饗宴が始まったばかりでしょう?それをわざわざ中座していらしたなんて、何か急用でも…?」
 「うん、まあ。急と言うほど急じゃないんだけどね。ほら、今度の遠征で俺は新しく歩兵の指揮を割り当てられただろう?それで、直下に入ってもらう百人隊長たちに少しいい格好をしておきたいなと思って。ワインを11杯用意してくれるかな。味付けは君のセンスで、テーマは…“同志”?」
 「え、あ、はい。かしこまりました」
 ワインをそのまま飲むのは下品とされている。水や湯で割ったり蜂蜜を入れたり香りをつけたりと、カクテルのようなものにするにもセンスが問われるのだ。
 「ごめんね、ただでさえ忙しいところ。ついでに奥様自慢もしてみたくてね」
 「なっ…」
 かっとキョーコが真っ赤になる。
 「なんのためですか~…」
 俯いてしまったつむじにキスして、クオンティヌスは朗らかに笑った。
 「そりゃあ、留守にする前に、君は俺のものだって大々的に宣伝しておかないと」




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 おーつーむーがうごかないーのーよ~。あはははは。


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