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延び伸び…

 最近さっぱり更新してないのに、ご訪問下さる皆様ありがとうございます。なんか200万打超えてるし、ありがたいやら申し訳ないやらです~。
 連載の続きの構想は頭の中にあるんですけどもね…そ、のうちには。はい。また書きます。


 それで、「花摘人」ですが。
 まだ延びていますが…同時に伸びております; なんか…最終的には予定ページ数の倍(以上?)とかになりそうなカンジです。
 結構長く書いた話なので、決着をつけるのにあまりあっさりしてても物足りなくなるかな、と思ってたら、こう、つらつらと…あと、時間的に長く書いてると、その間に色々思いつくので話も長くなるというのもありますねえ。
 いやもうほんとに、お待たせして申し訳ありません。このまま何もなしで放置というのも非道な気がするので、せめてボツになった部分でも曝してみます。ちょっとくらいサービスになればいいんですが、むしろこれだけじゃわからんわってハナシかも~。うーん、まあ、チラリの変形だとでも思ってやって下さい。
 
 「花摘人」冒頭にと書いたシーンです。しかし構成上ボツということに。実際の原稿は蓮視点になっていますし、導入シーンも変更しています。
 追記へどぞ。





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 「キョーコちゃん?」
 気がつくと、端正な顔が目の前にあった。気遣わしげに眉根を寄せ、すこし首を傾げている。
 そして、そのさまさえ彼は綺羅綺羅しい。キョーコに言わせれば、キュラキュラしい。
 「う、ひゃっ!?」
 一拍置いて覚醒すると、彼女は飛び退くように背を反らした。
 「つ、敦賀さん!あまり近寄らないで下さい、心臓に悪いですっ」
 「うん?」
 抗議の声を上げれば、蓮は体勢はそのままさらに首を傾げて見せる。無邪気さを装っているけれど、瞳の底に不満の色が潜んでいるのをキョーコは見逃しはしなかった。
 一緒に暮らし始めてほぼ2年。彼の表情を読むことにかけてはいっそプロを自負している。今となっては、どうして周囲の人たちはいつまでも騙されているのだろうとさえ思うくらいだ。まるで熟年夫婦のようだが、本人にその自覚はない。
 (だって敦賀さん、嘘吐きなくせに率直だし、変に素直だし)
 状況を置き去りにむつむつ考えているうちにも、フォークを運ぶ手は止まらない。ごはんは重要なのだ。
 特に今日は、珍しく昼間に時間の空いた蓮とともに自宅で昼食という状況。目を離すと食事に手を抜く俳優に、しっかりきっちり食べさせずにいられようか。
 季節を映したメニューは菜の花とサーモンのサワークリームパスタ、もちろん麺はアルデンテ。蓮もキョーコもくるくると綺麗にフォークに巻きつけては口へ運ぶ。
 何度かそうした後、ふと俳優が手を止めた。
 「うーん…」
 小さく唸っている。
 「はい?」
 もぐもぐごっくん。きちんと嚥下してからキョーコが問い返せば、トマトとブロッコリーのモッツァレラチーズサラダの向こうから返って来たのは、軽い溜め息つきの苦笑だった。
 「いや…キョーコちゃんは最近ちょっと、らしくないって言うか。時々ぼうっと考え込むみたいにしてるよね?」
 語尾は問う形だけれど、ことばは実質断定だ。
 「え…そう、ですか?すみません…」
 言われた方もフォークを止め、決まり悪げに肩を縮めた。
その視線が落ちるのを見て、蓮は軽くかぶりを振る。
 「謝って欲しいわけじゃなくて。このところ、受験は無事に合格で終わったけど年度の変わり目で仕事は忙しいし、卒業と進学の準備はあるし、何かと大変だっただろう?疲れてるんじゃないかと思ったんだよ。
 「キョーコちゃんはそういう、疲れたとか辛いとか自分から言ってくれないから」
 口調が何やら恨みがましい。雇われの少女は身を乗り出すように否定にかかった。
 「そんな!そんなことありません、大丈夫ですまったく元気です!」
 「ほんとかな…」
 「ほんとです!大体ですね、疲れたとかそんなのは愚痴ですから。本来人様にお聞かせするようなものではありませんっ」
 慌ててぶんぶん両手を振るキョーコの倫理正しいが潔癖すぎる発言に、雇い主は何か(おそらく、それだから心配なのだというようなことを)言いかけたまま口を閉じた。
そのまま彼は、諦めたような吐息を肩からすとんと零す。
 「じゃあ…他に何か、悩みでもあるの?」
 何気ない口調で、しかし真剣な瞳で問いを重ねられ、キョーコは再びそんな、と呟いた。
 が、やけに声が弱い。ここぞとばかり、今度は蓮が身を乗り出した。
 「もしそうなら、俺に相談して欲しいな」
 「えっ!?そんな、まさか…」
 「まさかって、どうして」
 俳優の声が、少し低くなった。輝かしい笑顔がそのままなだけに、気がついてしまえば一層不機嫌さが浮き上がるようで、少女の腰がじりと引ける。
 「どう、してもこうしても…私が敦賀さんのお手を煩わせていいとお考えの方がビックリですが」
 「ふうん」
 精一杯の反論に、蓮はただ何でもなさそうに鼻を鳴らした。その無反応に近い反応から、余計に機嫌を損ねたと気づいたキョーコが大いに焦るがもう遅い。
 「あの…」
 「俺の手を、ね。本当に慎み深いね、キョーコちゃんは。でも、本人がいいって言ってるのにその理屈は、変じゃないかな?」
 「…えーと…」
 「俺は、むしろお願いしてるのにね。どうして君は俺を拒絶するの?」
 「そ、そんな!拒絶なんて!!」
 メゾソプラノが跳ね上がった。蓮は表情を動かさずに黙り込んでしまう。
 「……」
 そのままじっと見つめられ、キョーコはいたたまれずに瞳をさまよわせた。
 「そんな、つもりは、ないんです…っ」
 ややあって、小さな唇から苦しげな声が搾り出される。
 「ただ、私は敦賀さんに何から何までお世話になるばっかりで、もう、敦賀さんのお蔭で生活してる状態で。すごく感謝してるのにろくにお返しもできない上、まだまだひとり立ちさえ覚束ないじゃないですか。
 「なのに敦賀さんはどこまでも寛大で優しくて、こんなんじゃ私どうしたらいいのか…と言うか、どうしてこんなに甘えちゃってるのかわからないんです…」
 下がった眉尻の先に影が差す。蓮はぽとぽとと零される言葉を黙ったまま聞いていたが、深く息を吸ったかと思うとそれを飲み込むように口をへの字に閉じた。
 「どこが甘えてるんだか…」
 ぼそりと紡がれた言葉には苛立ちに近い不満が乗っていた。
 「ほんとに」
 ぱっと顔を上げたキョーコが何か言いかけるのを制するように、彼は目に力をこめて彼女を見据える。
 「君が甘えてくれるなら、俺にはそれは嬉しいことでしかないよ。だけど実際には…
 「もう何度言ったかわからないけどね、キョーコちゃん。お世話になってるのは俺の方。俺が人間らしく暮らしてるのは、ひとえに君のお蔭だよ。実際これは、社さんも賛成してくれると思うな」
  「人間らしくって何ですか…私なんか、お食事の支度くらいしかしてませんのに」
 「それは、さすがに嘘だろう」
 「え」
 蓮は手にしたまま止めていたフォークをくるりと回した。弄ぶように揺らし、ふと止める。行儀悪いですよ、という小言をこらえ、キョーコは殊勝らしく口を噤んでいた。
  「まあ確かに、食事の面でのキョーコちゃんの働きが、最も大きいってことになるんだろうね。
 「でも、俺の家の中がいつも秩序と清潔を、持ち物が靴の一足に至るまで美品状態を、俺自身が心身の健康を保ち続けるに足る心遣いと存在を示してるのが、一体誰だと思ってるのかな、君は」
 「いえ、あの」
 問うておきながら、答えを求めているわけではないらしい。俳優はキョーコの言葉を待たずに先を続けた。
 「君は働き以上のものを俺にくれてる。
  「だから俺は、俺こそが君にお返しをしたい。それを、わかって欲しいんだ」
 声からは先刻のような不穏な響きが失せ、真摯な、自分で言うように願うような調子になっている。少女はそれを聞きながら思った。
 わからない。
 彼の言うことは大仰に過ぎると思う。自分は世話になっている身として当然のことをしているまでで、半ば以上は仕事でもあるのだから、そこまで感謝される必要はないではないか。
 そもそも心身の健康とは何だ。
 身体の部分はまだわかる。毎日きちんとした食事を彼に摂らせる(現に今のように)ことは確かに頑張っているし、忙しい蓮に可能な限りの休息と憩いをと家の中を整えてもいるつもりだ。
 しかし、自分などが彼の心の健康に寄与できているなどとは、思うさえ図々しいことである気がする。
 (心、かあ…)
 思わず溜め息がこぼれた。それをどう取ったのか、俳優の眉間にかすかな皺が寄る。
 「キョーコちゃん?」
 「えっ、あっ、はいっ!
 「…あ、ええと。敦賀さんのお気持ちは、とてもありがたいと…」
 「だから。そういうことじゃ、ないんだ」
 蓮は緩く嘆息し、のろのろと食事に戻った。気持ちを鎮めるため、無理矢理そうしているように見える。
 「すみ、ま、せん…」
 居心地悪く身じろぎながら、キョーコはぽそぽそ謝った。蓮がちらと視線をよこす。
 わからない。ともう一度思った。
 たぶん、わかっては、いけない。
 と。





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