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たいせつでたいせつで(59)

 「話なんざ、俺にはねえよ」
 「トミー!」
 口を歪めて吐き捨てるかつての遊び仲間になおも呼びかけた時、クオンの背後で甲高いブレーキ音が響いた。
 「?」
 「しまった…」
 思わず振り返る視界の端を、恐怖に凍りつくトミーの瞳がかすめる。
 路地を塞いで停まった黒塗りの車から、バラバラと数人の男たちが降りて来た。明らかにまともな職業の人間ではないと知れる服装、動作。クオンはとっさに周囲を見回すが、奥は裏のビルの壁、路地の出口は車に塞がれている。
 ともかくもドアから跳び離れると、彼らの視線が自分に向いていないことに気づいた。では目的はジニーかトミーか、どちらにしてもろくな用件ではなさそうだ。
 どうする…と思ううちにも男たちはジニーの店の勝手口に迫り、中の一人がカッターでドアチェーンを切る。にぶい音を放ってチェーンがちぎれ飛ぶと同時に、乱暴にぶち開けられたドアが一団の人影を飲み込んだ。
 「いたぞ!」
 「待ちやがれ!!」
 がたがた、どすん、がしゃん。
 中から怒声やものを倒す音、ガラスの割れる音が入り乱れて響いて来る。
 「一体…」
 誰に問うともなく呟くが、状況からすれば原因を推測するのはさして難しくはないように思える。ジニーかトミー、先程の表情からすれば恐らくトミーが、この街の、それも裏の社会でのルールを破ったということではないだろうか。
 果たして、じきにトミーが、ジニーが男たちに引き立てられて来た。声もなく見つめるクオンに気付いて振り返ったトミーはすぐに顔を逸らしたが、二人ばかりの男が改めてクオンに注意を向ける。
 まずい、と思った時には両脇を固められていた。変に生温かい手に上腕をつかまれる。
 「っ…離せ!」
 反射的に振り払っていた。しかし活路を求める碧い瞳に映ったのは、ぴたりと自分の胸元に擬されたベレッタの銃口だった。薄暗い路地を照らす勝手口からの灯りに、悔しげに唇を噛む若い顔が白く浮く。
 「へえ…」
 銃を持った手の向こうから嘆声が上がった。 
 「えらくキレーな兄ちゃんだな、俺好みだぜ。
 「ま、おとなしくしてなよハンサムボーイ。その顔に傷つけるのは忍びねえからな」
 「……」
 無言で男を睨み据えるクオンの両手を、先程振り払われた方の男がつかんで後ろに回させる。かしゃ、という音と共に冷たい感触がして、手錠をかけられたと知れた。
 「気の強え美人に睨まれるのはたまんねえな」
 ニヤニヤと言う男に小突かれ、クオンは路地の出口に向かう。
 「乗りな」
 同じように後ろ手に拘束されているらしいトミーたちに続いて、車の後部に押し込められた。同時にドアにロックがかかる。
 「トミー」
 どういうことだ、と尋ねる言葉は急発進する車のスリップ音にかき消された。クオンは座りきっていなかった身体を振られて座席に倒れ込む。
 「舌噛まねえようにな?ハニー」
 ベレッタを持つ男がちゅちゅ、とキス音を立てながら銃口と共に助手席から振り返った。その目が、不意にすうと細くなる。
 「…ん?」
 


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 ホントは個人的趣味で銃はコルトSAAにしたかった(笑)。でも、超どうでもいい脇役にそんな個性持たせてもしょうがないので諦めたですよ。
 さて久々のピンチ。次回は早めに更新するようにします。
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