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たいせつでたいせつで(69)

 片付けを終え、カメラマンはさっさと出口に向かおうとした。
 「おいデニス、そんじゃ俺は帰るからな」
 「おー、お疲れ。どうだった」
 ひら、と背中で手を振るミルツが顔だけ振り返らせてマカナンを見、こどもたちを見、またマカナンに目を戻す。
 「いいんじゃね?」
 にやりと笑うと、そのままスタジオを出て行った。
 「ふふん、なるほど。ヤツのお墨付きとなりゃ…」
 ニヤニヤ頷く映画監督に、クオンが催促の視線を向ける。
 「監督?」
 しかしマカナンが口を開くより先に、ミルツを見送ったキョーコがぱたた、と軽い足音を立てて二人に走り寄って来たために少年の注意は面白いくらいはっきりと逸れた。
 「楽しかった?キョーコちゃん」
 優しく尋ねられ、少女は頬を紅潮させながら両手で大きく円を描いた。
 「もう、すっごく!!初めは緊張したけど、クオンがいたから安心できたし。
 「えっとマカナン監督、どうもありがとうございました!!」
 キョーコは映画監督に全開の笑顔を向け、きれいに一礼する。中年男が相好を崩した。
 「おー、そーかそーか。嬢ちゃんは素直ないい子だなー。チビズリにゃ勿体ねえ」
 大きな手で頭を撫でられ、キョーコはくすぐったそうに笑う。
 「ちがいますよー、クオンはとっても綺麗だもの。私がクオンに似合わないんです」
 「…!」
 クオンの顔色が変わった。
 「キョーコちゃん、そんなこと…」
 言わないで、と訴える瞳に少女が狼狽する。
 「え、あの、クオン…?」
 「なるほどねえ」
 またしてもニヤつくマカナンを、すこし赤い顔の少年が睨む。
 「しっかりしろよ、チビズリ」
 「余計なお世話です」
 「???」
 三者三様の空気を引きまとめるように、クオンがいくぶん萎れた口調で言った。
 「とにかく、説明の方をお願いします」
 「へーへー。
 「まあ、なんだな。俺んトコに、妙な依頼が来たわけだ」
 「依頼、ですか?映画関連の?」
 さりげなくキョーコとマカナンの間に半身を入れ、少年は小さく首を傾げた。問い返してはみたが、それなら映画監督が妙なと称する必要はない。
 「それが違うんだよ。日本企業からな、俺にCF撮ってくれって。俺ァ映画屋だつって断ろうとしたんだがな?あっちは"だからだ"って食い下がるじゃねえか。そんでまあ、話だけは聞くことにしたらな。いかにもアメリカ的な直接的なのじゃなくて、日本に多いストーリー性の高い、ゲージツ的なCFを作りたい、それにゃ俺の作風がぴったりなんだとこう来るじゃねえか。
 「ゲージツだぜゲージツ。なあおい。そりゃ、俺が引き受けてやんなきゃ気の毒だろ!?」
 だはは、と笑う映画監督の顔を見ながら、クオンはもしかしてと思う。もしかして、それに?
 「で、とりあえずコンテ切ってみてな。したらやっぱこう、日本的な女の子の画が欲しくなってな。こう、ニホンニンギョみたいな。で、前に会った日本の嬢ちゃんを思い出したってわけだ」
 マカナンが身を屈め、キョーコの顔を覗きこんだ。キョーコがちょっとのけぞる。
 「どうだ嬢ちゃん、俺の初CFに出てみねえか」
 「え…えええええ!!?」





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 そんなわけでマカナン監督はいよいよ黒崎氏に近付いて行ったり。
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