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あした世界がおわるとしても(8)

 「敦賀さん…?そんなに火に近付いたら、前髪焦がしちゃいますよ」
 軽く笑いながら蓮の顔に伸ばしたキョーコの手が、はたと空中で止まる。
 「あ、れ…?」
 呟いたきり、彼女は動かなくなった。その手を取り、蓮は自分の頬に当てさせる。甘えるように。
 それから、そろりと顔を上げた。
 「え…
 「つる…がさん」
 キョーコが首を傾げ、瞳をうろつかせ、息を呑んだ。
 「瞳、が…藍色…ううん、青い…?カラーコンタクト、ですか?」
 いま、この状況で。なんのために、と疑念を覚えているのだろう。彼女は訝しげに首を傾げる。
 「あ、今の役で使ってて、入れっ放しのまま帰って」
 「来たわけじゃないよ。むしろ逆」
 「え…」
 蓮の声に、ほんのわずか微笑が載った。秋の微風を思わせる、静かな。
 「これが、俺のもともとの瞳の色なんだ」



 「君に、ずっと嘘をつき続ける気はなかったんだ。そうできるはずもないし」
 くつくつと、煮立ち始めた鍋の声の方がよほどにかまびすしい。蓮は卓の上に両の拳を載せ、静かに静かに言葉を紡いだ。怪物の眠る洞窟に入る人間は、こんな風に喋るのかもしれない。洞窟の守護者を呼び覚まさないように。奥には、光り輝く宝が待っている…
 妙な連想をした、とキョーコは息を継ぎ直す。じっと自分を見つめる青い双眸に堪えず俯いてしまいそうになったが、勇を鼓してまっすぐに見返した。
 「どうして、ですか?」
 蓮が微笑む。
 「だって、一生隠せるわけないだろう?」
 「一生って…」
 「君を一生離す気はないから」
 「!」
 白い肌にぱっと血の色をのぼし、キョーコはあたふたとおたまをつかんだ。土鍋の蓋を上げ、ぐりぐり掻き回す。
 そ、そりゃあ私も何となく想像しないでもなかったんですけどこう何と言うかお帰りただいまって言い合う未来、みたいな?えーでもでも。俯いてほつほつ呟く様子に苦笑を零し、蓮はついと手を伸ばしておたまを取り上げた。
 「そんなに掻き回したら、中身が崩れない?」
 「え、あ」
 我に返ったキョーコが少しずらして蓋を戻し、代わりに火加減を調節した。
 「…俺はこういう風に、君と向き合って生きていくつもりだから、いつかは言わなくちゃいけなかった。と言うか…本当言うと、ゆうべの時点で半ば覚悟してたから、君が気がつかなくて拍子抜けしたくらいで」
 「ゆうべ?ですか?」
 キョーコは不思議そうに呟きながらも頬を染める。初めて蓮と体を重ねた記憶が脳裏に浮かびそうになり、慌てて首を振った。恥ずかしくて、少し怖くてずっと目を瞑っていたけれど。
 「うん。俺、体毛も金だから」
 「はあ。え、金髪ってことですか」
 不得要領なまま頷くキョーコにもう一つ苦笑して、俳優は瞳の前に片手を翳す。
 「うん。他にも、ね。まあその辺はまた今後確認してもらうよ。いくらでも機会はある」
 「確認ですか?わかりました…」
 蓮が笑った。しかし一瞬で口元を引き締める。
 「それに、外見はただの証拠で本質じゃない。
 「キョーコ、俺はね」



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 あー…スローテンポですな。
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