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あした世界がおわるとしても(9)

 すいません!!ここへ来ていきなり本誌ネタバレ含む、です!迂闊~…!!うっ…どうしよう…
 そ、そんな次第で大丈夫な方のみ…って、9まで来てからかよ…ごごごごごめんなせいいいい~m(__)m











 「母国から、逃げて来たんだ。それで日本に来て、自分を作り直そうと思った。この髪と目は、そのために変えたんだ。日本人になりきって、」
 ぽつりと零す蓮の唇は微笑の形を作っていた。けれど常ならば綺麗な弧を描くはずのその軌跡がほんのわずか歪んでいて、揺れるロウソクの炎が与える陰影の中、それはひどく…
 陰惨、に見える。
 キョーコは息を呑み、じっと恋人の様子を窺った。一瞬でも目を離したら、たちまち塩の柱になってしまうのではないかと疑うかのように。
 「ぼこく…」
 漂うようにこぼれた呟きに、蓮は小さく頷いた。
 「うん。アメリカ。
 「そこで俺は、人を死なせてしまった…」
 「!」
 「俺の目の前で、彼は車に撥ねられた。高く空中に投げ出された彼と一瞬目が合った時は、心臓が凍るかと思った。彼は地面に投げ出されて、体中からどんどん血が流れ出して…命が空気に溶けるみたいに消えて行くのを見ながら、全身が凍りついて行った…」
 彼、って?キョーコの唇が動くが、言葉にはならなかった。かわりに、
 「だからあの時…」
 小さく呟く。ダークムーンの撮影現場で起こったアクシデント。カーアクションの最中に飛び出して来た子供を避けて危うく事故になりかけ、誰一人怪我人も出さずに切り抜けたにも関わらず自失した蓮。
 「でもそれ、事故じゃ…」
 遠慮がちに言うと、俳優は目を伏せてひとつだけかぶりを振った。
 「俺がいなければ…あんな風でいなければなかったはずの事故なんだ」
 戸惑うキョーコに、彼は静かに言う。押し寄せる感情を抑え、かすかに震える声で。
 「自分の思いに囚われて、周りの人に背を向けて、向け続けて…誰の話も聞こうとしなくて。その癖、俺を見て欲しいと望んで。きっと、彼のことも…利用してたんだ。お前に何がわかるんだって、八つ当たりしながら。それでも俺を見捨てない彼に、甘えてた」
 「敦賀さん…」
 「人殺し、って呼ばれたよ」
 「!」
 「彼の…リックの体を抱えた女の子に。俺が死ねばよかったのにって。確かに、そうだと思った。それでもよかったって…」
 「そんなはずありません!!」
 激しい調子で遮られ、蓮は束の間目を瞠った。キョーコは顔を真っ赤にして怒っている。
 「リックさんですか、その方には気の毒ですが、本当には何があったのかなんてことは、私には決してわからないんでしょうが!それでも!
 「それでも…っ」
 「キョ、キョーコ」
 ぼたぼたと大粒の涙を落とす恋人の姿に、蓮は椅子から腰を浮かせる。しかし、一瞬キョーコが早かった。
 がたん、と椅子を蹴立てて立ち上がったキョーコはさっとテーブルを回り込み、驚く蓮の隣に立つ。細い両腕をいっぱいに伸ばし、彼女は俳優の頭を胸に抱え寄せた。
 「私は、敦賀さんが生きててくれなきゃいやです…!!」
 「キョーコ…」
 蓮の腕がそろりと伸びる。自分にしがみつくキョーコの腰を抱え、彼はそっと目を閉じた。
 「ありがとう。愛してる…」
 キョーコからぴきりと音がした。
 「?」
 見上げると彼女はやはり真っ赤なのだが、眉が下がっている。
 「どうした…?」
 「い、いえ…あの、ちょっと納得してただけです。敦賀さん、甘ゼリフが平気なのもスキンシップが過剰なのも、外国の方だからだったんだって…えと、すいません、話の腰折って」
 蓮はちょっと笑ってしまった。
 「俺も納得した」
 「な、何をデスカ」
 「君さえいれば、俺は大丈夫だって。君の中では空想も現実もすごく確かなんだね」
 「バカにしてるんですか…」
 「まさか。そういうところに救われてるんだよ、俺は。昔からずっと」
 キョーコが軽く首を傾げる。昔は私、嫌われてましたけど。
 「そうじゃなくて…」
 「あっ!!」
 話の順が飛ぶがどうするかと逡巡する蓮を突き飛ばし、キョーコはぱっと身を離した。素早く布巾をつかんで噴きこぼれそうになっている鍋の蓋を取り上げる。ほぼ同時にカセットコンロの火を最弱にした。見事な早業だ。
 「ふう…」
 危ないところだった、と腕で額を拭う様子に、鍋ならず蓮が噴き出した。
 「ほんと、君は頼もしいよ…っく、あはははは!」
 笑い崩れる姿をぶっすり睨み流し、キョーコはそれはようございましたとふてた口調で呟いた。
 「敦賀様に楽しんで戴けて大変光栄でございますー」
 憎々しげに言い捨てたかと思うと、苦笑に変わった蓮に向き直る。
 「ねえ、敦賀さん…」
 「うん?」
 返された視線を、彼女はまっすぐに受け止めた。
 「いまのお話、話したくて私に話してますか…?」




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 できるだけどうとも取れるようにしたいのですが、物語の説得力を作るのに最低限の情報は必要なので仕方なく捏造も交えてます。この回、あとから訂正入れることになりそうですね~。本誌が進んだらコッソリ直します。
 あーでも、直しようがないくらい展開がかけ離れたら、いっそ触らない方がいいってことになるのかも?
 悩むところだな~。


 
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