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もうだめなんて気のせいだって!(7)

 「蓮さん、蓮さんっ…やだ、こんな」
 蒼白になりながら、キョーコは襲撃者の腕をうんうん引っ張って蓮の肩から引き剥がす。それをうっちゃると、男の上に屈み込んだ。手を当てて下にしているので、傷口が見えない。
 「蓮さん、傷を上にして下さい!診ますからっ」
 「…うん…?」
 頼んでも蓮は茫洋とした眼差しを彼女に当てるだけで動こうとしなかった。キョーコは半泣きで元夫の服をつかんで引っ張り、数cmずつ体勢を変えさせた。
 「お、重いぃ…」
 思わず呻くと、蓮の目がうっすら開く。
 「ああ…ごめんね、キョーコ。でも、君を抱きしめて眠るのが好きなんだ…」
 かすれた声で呟いて手を伸ばして来るので、調薬師は爆発しそうになる。
 「なに寝惚けてるんですか、そんなこと言ってる場合じゃ」
 喚きかけて、彼女はうろと瞳をさまよわせた。見る見る顔を真っ赤にし、のろのろと蓮の耳もとに顔を伏せる。
 「えっと…あの、蓮さん。ねえ、上向いて?キス、しにくいの…」
 揺れるソプラノが囁けば、男は幸せそうにほにゃと笑い、素直に仰向けになった。
 伸びて来た手を避け、キョーコは大急ぎでシャツの脇腹を裂いて傷を検める。20cmほどに亘る裂傷は深くはないようだが、周囲が紫色に腫れ上がって熱を持ち始めていた。
 「毒…!」
 鼻先を近付ければ、かすかな臭気が届く。
 「これは…ホキリソウ!?」
 まずい。かなり強い神経毒だ。キョーコは急いで立ち上がり、解毒の準備にかかった。
 



 「キョーコ!キョーコいる!?」
 ずばたん、とドアがぶち開けられ、黒髪の美女が駆け込んで来る。
 「あ、モー子さん」
 大男をうんうん唸りながら少しずつ少しずつ引っ張っている"痩身の魔女"の姿を見て、安堵とも呆れともつかない息を吐いた。
 「よかった、間に合っ…」
 と言いかけ、彼女は玄関脇にマグロのように転がっている物体に気付く。
 「!」
 気絶した黒衣の女の顔を確かめ、それからキョーコにじりじりとソファへ向かって引きずられている男に視線を移した。だいたいわかった、と頷く。
 「モー子さん、手伝ってええ~。蓮さん、私を庇って切りつけられて、しかも短剣に毒が塗ってあったの!解毒はしたんだけど、ちゃんと休ませなきゃ…」
 「やっぱり、そんなところだと思ったわ」
 小さく独りごち、
 「あんたさえいれば簡単に死にゃしないわよ、そんな男」
 吐き捨てるように言った"モー子"こと琴南奏江は、それでも仕方なさそうに友のもとへ行く。
 「だけどまあ、うちの不始末でもあるし…」
 「え?」
 「あの人、うちの会員なの」
 キョーコの反対側で蓮の腕を取り、奏江が顎で差すのは玄関先のマグロ、女襲撃者だった。
 「え、ガラの会の!?」
 年中無休のダイエッター・奏江はガラの会の高位幹部で、そのダイエットに対する真摯かつ厳密な姿勢から次期会長の呼び声も高い。
 「どっ…どういうこと?どうしてガラの会の人が私を狙うの!?」
 思わず蓮の腕を取り落としそうになって慌ててつかみ直しながら、キョーコは狼狽も露わに問う。奏江は美しい顔を歪め、
 「下らない理由なのよ…」
 苦く呟いた。




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 やっぱりここの蓮バカ…
 てゆか、そもそもうちの「成立後の蓮」が軒並みバカ。HAPPYのステータス異常がかかってるに違いない。

 そしてモー子さん登場。やっと話が進むかも~。
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