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BLACK WOLF & CAT(6)

 「おはよう、兄さん」
 コーヒーの香りと、コロンと転がるアメ玉のような声に目を開いた。
 最前からとうに意識は浮上していて、しかし室内に漂うやわらかなまどろみを惜しんで動かずにいた。
 全く、彼女のいる場所は桃源郷のようだ…
 蓮はのそのそと身を起こし、同時にカインの仮面を自分に被せて行く。上半身が起きた時にはそれも完了していた。
 妹の姿を見て眉を顰める。
 「…セツ。またそんな格好を」
 不快を滲ませた低い声。セツカが口を尖らせる。
 「だって、洗濯しちゃったからこれしかないのよ」
 ブラと変わりがないようなショートビスチェにスリット入りのマイクロミニ、室内なのでジャケットもなく、下手な水着よりよほど露出度が高い。
 「だから言ったろう。…ほら」
 カインはサイドボードに置いた黒革のサイフから金色のカードを抜き出し、妹に向かって放り投げた。
 「もっと服を買って来い」
 しかし器用にカードを受け止めセツカはぷうと頬を膨らませている。
 「またそんな無駄遣い」
 兄はもそりとベッドを降りると、朝食をセットしたテーブルの脇に立つ妹にスタスタ歩み寄った。と言うより距離を詰めた。
 「生意気を言うのはこの口か?」
 すべすべした頬をぎちぎちつねり上げる。
 「らからひょこは口らないっひゃら」
 「いいかセツカ」
 抗議など寸毫も聞かず。
 シスコン兄貴は妹の頬を両手で挟んで持ち上げた。セツカは半分足が浮いている。
 「お前はカワイイんだぞ?それがこんな挑発的な格好をして、また変な男に絡まれたらどうするんだ」
 じっくり言い聞かせると、案に相違してセツカは笑った。
 「兄さんが助けてくれるもの」
 「あのな…」
 「兄さんに助けてもらうの、好きなの。愛されてるなって思うから」
 「…!」
 どくん、と心臓を跳ねさせたのはカインだったか蓮だったのか。没表情の奥に疑問を隠す男に、少女は更に言う。
 「ねえ兄さんは、アタシのこういう格好そんなにイヤ?見たくもない?」
 見上げてくる瞳に追い詰められ、畳み掛けられてカインは低く呻く。
 「セツカ…」
 その名が唯一の拠り所。何のと言えば、犯罪者にならないための。
 しかし思わず洩らした言葉がどこから出て来たのか…
 「俺だけが見るんじゃないからな」
          判っている気がして、彼は彼女に背を向けた。
 「とにかく、服は買い足せ」
 目の裏に焼きついた肌の白さからは、逃れられなかったが。





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 今度は蓮フクザツ編(笑)。
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