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ねがうほど(後編)

 彼がふるえるから。
 怖がっているから、安心させてあげたくて、だけどことばが出て来なくて。
 そろりと微笑んでみた。
 ちゃんと笑顔になってることを願いながら。


 蓮はひどく不審そうな顔をしている。
 ええ、わかってますよ敦賀さんだって。貴方はわからないんですか?
 キョーコは思い、彼をからかってみることにした。
 本当のところは、自分も何をどう言えばいいのかわからなくて雪花の力を借りようとしたのだと自覚してはいたが。
 「アタシを見る時に、そんな顔しないで」
 指先で男の眉間に寄る皺を伸ばすと、その手はあえなくつかみ取られてもっと大きな手に包まれる。
 蓮の唇が開いた。
 けれど何を言われても、答えるすべがない。さもあろう、キョーコ自身わかっていないのだ。自分の心の動きが。
 ただ、守りたいと思う。
 悪夢に怯える子供のように震える先輩俳優を、深い闇の底から連れ出したいと。
 なんとなれば、彼こそが彼女を導く光であるのだから。
 彼は彼女にとって、神にも等しいのだから。
 そして…神には、供物を捧げるものなのだから。
 その奥の奥、真底に眠る真実を隠したまま、キョーコは目を閉じる。



 ぴちゃ、ぴちゃ、と…
 聴覚を直接刺激する音に曝され、キョーコはたまらず声を上げた。
 「それ、や…」
 しかし男は反応すら見せずに彼女の耳朶をなぶり続ける。
 悪寒が背筋を駆け抜けるような、なのにそこから熱が拡がるような、奇怪な感覚に翻弄され、次第に呼吸が浅く速くなる。
 「気持ちいいくせに」
 囁き落とされたことばを拒みたくて耳を塞ごうとする手は、やはり蓮につかまえられてしまった。唇を、火傷しそうな吐息に擽られる。
 「嘘ばかり言う悪い口には、お仕置きが必要だな」
 自分だって。
 キョーコは低い声に反発を覚えてねっとりした微笑を見返す。違う、と思いたかった。こんなに心が震えるのは、私のせいじゃない。
 貴方が震えるから。
 そんなに、瞳を揺らすから。
 心の声が聞こえたかのように、少し身を起こした蓮がうっすらと微笑む。唇の端にちらりと覗く赤い舌に目が惹きつけられた。
 甘やかな声が、そこから送られて来る。
 「…最上、さん?」
 ああ、とキョーコはどうしようもなく納得してしまった。


 あなたが、わたしにねがうなら。



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 後編と言うか…キョーコサイド+オチ?
 つか、オチてねえよ!!これからだろが!!!という向きには、いずれをお約束なんかしちゃおうかなと。えちバナシでリク受けてますので、そちらに続く予定です。もちょっと待ってて~ん。



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