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もうだめなんて気のせいだって!(17)

 「誰がそんなもの用意しろなんて言ったのよ!?」
 「は…え!?」
 きんと叫ぶ絵梨花を坂崎は茫然と見返し、声にありありと狼狽を浮かせる。よほど予想外の言葉だったらしい。しかも、お嬢様はなおも叫ぶではないか。
 「そんなもの使ったら死んじゃうじゃないの!あなた私を殺人者にしたいわけ!?」
 「あのいえ、けしてそのような…」
 おろおろと視線をさまよわせ、お嬢様のお付は手にした短剣を背中に隠した。
 「ただその、痩身の魔女殿を排除する、と仰いましたので、てっきり…」
 「馬鹿ね、邪魔者を排除するのにいちいち殺してたら、そのうち使う人間が誰もいなくなって自分が困るってものでしょう」
 お嬢様はむしろたちの悪い発言をさらりとかます。
 「とりあえず引越しでもしてもらって、数年も遊んで暮らせるくらいの支度をして差し上げてって言ったつもりだったのに…使えないわねえ、それでも私の側近なの!?」
 「も、申し訳ありません」
 「ちょっと待ってください、でも私は、お金とかで友情を売ったりしませんよ!?そんなことより、モー子さんに使った薬の種類を」
 「まったくね」
 「え!?」
 ふわりと降って来た声に、絵梨花はぎょっと立ち竦みキョーコは抗議を途中で止めた。
 同時に調薬師の視界がふっと黒くなる。上方の暗がりから音もなく舞い降りた蓮の背中だと気付く前に、もう安心を覚えたのが彼女には不思議だった。
 「そういう、わかりやすく俗物的な発想をしてくれるなら、俺だってもっと楽だったと思うよ」
 しかし声には苦笑が含まれ、彼女とその親友を背に庇った長身の青年はわずかに揶揄の視線を流して来る。
 「あ、貴方どこから涌いて…」
 すらりと立つ蓮を指し、お嬢様はわなわなと指を震わせた。しかし頬がピンクに染まり、うす闇にも瞳が潤んで見えるのはどういうわけか。
 蓮はと言うとお嬢様のご下問には応えず、神経こそ前へ向けているものの肩から上は背後へ捻り、
 「琴南さんも取り戻したんだし、帰らないかい?キョーコ」
 などとのんびり尋ねている。
 「はあ、そうしたいのは山々なんですが…帰らせて、もらえるんでしょうか?」
 キョーコは奏江を抱えたまま蓮とその向こうの絵梨花を見比べた。そして付け加える。
 「むしろ蓮さんが」
 何となれば。お嬢様は今や、蓮ばかりうっとりと見つめているので。
 言われてちらと前を見た切れ長の瞳に射抜かれ、絵梨花は勃然勢いを取り戻した。
 「坂崎北条藤堂!」
 『はっ』
 繊手をうち払うあるじの背後に、照明を手近に置いた三人がさっと膝をつく。
 響いた命令の声は、それまでとは内容がすっかり変わっていた。
 「あの男を、捕らえなさいっ!!」



 
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 スマセンちょっと調子が悪いので、今日はこれで。拍手レスは明日させてくだせい~。


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