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たいせつでたいせつで(91)

 「え、と…」
 眉尻を下げるキョーコに、クオンは小さく頷いた。
 「ああごめん、もともと家でって言ってた話、こんなところじゃ話しにくいよね。どうしよう、だるまやさんに行こうか?今日は何もないし」
 申し出る少年の顔を見上げ、少女は少し迷ってから首肯した。
 「うん…お願い、していい?」
 「勿論」
 クオンが晴れやかに、嬉しそうに笑う。
 「キョーコちゃんのお願いなら何だって聞くよ」
 そんな言葉を、今までのように甘いばかりでない、しっかりした声で言うので、キョーコは大きな目を何度も瞬いた。少年はそんな様子に気付いたのか気付かないのか、少女の背中に手を当てる。
 「じゃ、行こう。そこ、段差があるから気をつけて」
 「え、あ、う、うん」
 キョーコはさりげなくエスコートされて頬を染める。今までとは、何かが違っているような…けれど何も変わっていないような気がした。
 「あの、手」
 いたたまれずに言ってみると、クオンはぱっと離れて自分の手を見下ろし、暫し黙リ込む。やがてその手を拳に握り、ひとつ頷いた。
 「うん」
 「?」
 見上げているキョーコに、優しく優しく笑う。
 「エスコートの練習だよ」
 「練習?」
 CFの話だろうかと聞き返す少女に、彼は念を押す口調で言った。
 「パーティで、俺のパートナーになってくれるんだよね?」
 キョーコの頬が、ぱっと紅潮した。



 自室に一歩入るや、キョーコは猛烈に後悔し始めた。
 やっぱり自宅でなく、ヒズリ家に行かせてもらえばよかった、と。
 昨日この部屋で起こったことを思い出してしまい、顔が勝手に熱くなる。
 「そう言えば昨日のクッキーね、夜中に帰って来た父さんに渡して、朝にはもう空だったよ」
 後ろで話すクオンの言葉も耳に入らない。生返事を返して、階下でおかみに渡された盆をテーブルに置いた。
 「えっとあの、クオン、どうぞ」
 クッションを掌で指し、自分は反対側に回る。
 「あの、このオレンジジュースね、クーパパのお土産なんですって。この前のロケの時に見つけて、美味しかったからって」
 「ああ、そう言えばうちの冷蔵庫でも見た気がする」
 クオンはいつも通りを装うが、クッションに座り損ねて尻を床に落としてしまった。幸い、正面にいるキョーコには気付かれなかったようだ。
 「あ、そうだ、昨日のクッキーまだあるから…」
 少女はおたおたした様子を必死で繕いながら、勉強机の上に置かれた紙袋を取りに行く。ついでに、何かぺらりとしたものを引き出しから出した。
 テーブルに戻ってくるとちょこんと座り、まずクッキーを拡げてどうぞと言う。礼を言って手を伸ばすクオンが一枚取ってかじるのを待ってから、彼女はおずおず言葉を舌に乗せた。
 「あのね、クオン…私ね。
 「日本に、行きたいの」
 「!!?」




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 この辺は内容を詰めすぎました…あう~。でも関連してるからあとに回せないし。忙しいですがついてきて下さい~。


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