スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
web拍手 by FC2

Mission Birthday

 社さんが必死に確保してくれた半日のバースデーオフ。
 約束は取り付けた。
 準備はした。
 あとは、もうすぐ現れるはずのあの子を待って…そうしたら。
 どう運ぼう?
 なにしろ相手は強敵だ…
 ああでもないこうでもないと頭の中で何度も作戦を練り直すうち、インタホンが呼び出しを伝えて来た。
 来た!
 飛びつくようにエントランスのロックを解除し、じりじりと待つ。よほど玄関で待ち構えたいのを必死に我慢した。
 程なく、俺の部屋のドアチャイムが鳴らされた。急いで玄関に走り、ドアの前でひとつ深呼吸してから開ける。そこに立っていたのは、もちろん待ちわびた想い人。
 「こんにちは、敦賀さん。お誕生日おめでとうございます!」
 開かれた空間を光で満たすような笑顔に、自分の頬も勝手に緩んでしまうのを感じる。
 「ありがとう…入って」
 ドアを大きく開けて脇へどくと、最上さんはハイお邪魔しますとシャキシャキ入って来た。両手にまんまるに膨らんだレジ袋を提げているから受け取ろうと手を伸ばす。すると、
 「中身は秘密ですからっ」
 と引き渡しを拒まれてしまった。
 「見ないよ」
 だから持たせて、と頼んだけど、彼女はスタスタキッチンへ向かってしまう。
 「ダメです。敦賀さんはイジメっ子だから信用しません」
 そんな小憎らしいことを言うのに、抱きしめたくなるから困った。
 代わりに俺はさっと最上さんの前に出て進路を塞ぐ。
 「何ですか」
 足を止めて見上げて来るのへ視線を合わせ、壁際に追い詰めて腕で囲った。
 「…そう、ばれちゃってるんだね」
 ふ、と鼻先に息を吹きかけると、俺の可愛い女の子は面白いようにピキリと固まる。
 「な、ナニガデゴザイマショウ」
 カキカキ言うから噴き出しそうになった。ごめんね、混乱させて。でもそうして揺さぶりをかけるのも、時には必要なことだと思うんだ…君を手に入れるためには。
 今日こそ、もういい加減に君を手に入れたいから。
 「俺がいつも、君をいじめたいと思ってること」
 少し屈んで鼻先を吹く。最上さんは、ひ、と喉をひきつらせた。
 「や、やっぱりっ…」
 「うん、ここでじゃないけどね」
 俺に怯える姿を、ほとんどうっとりした気分で眺める。そうしようと思ったわけでもなく、俺の顔は更に下がって行った。
 ちゅ…
 ひそやかな音を立てて、やわらかな頬に唇をつける。
 「ななな、な、せ」
 意味のない音だけをぼとぼと零す唇をいっそ今すぐ…
 なんて、それでも迷ってしまったのがいけなかった。
 「セクハラ退散~っっっ!!!」
 ばす!
 みぞおちにレジ袋の直撃を受ける。
 「う…」
 女の子の力とは言え、水物でも入っているのかやけに重い一撃だった。一瞬怯む俺の隙をついて、最上さんはするりと腕を抜けて行く。
 「きょっ今日はっ」
 あわあわ言いかけるので視線を移したら、真っ赤な顔の少女は大根を振りかざしていた。
 「敦賀さんのお誕生日で、しかも半日オフでっ。お、お祝いのご希望を伺ったら食べるものって仰いましたからっ!」
 「食事とケーキ作ってくれるんだよね」
 苦笑しながら大根を取り上げてレジ袋に戻す。そうして袋を2つとも奪い取ってさっさとキッチンへ入った。
 最上さんが慌ててついて来る。
 「ちょ、ですから私が」
 「はい到着」
 テーブルの上に袋を下ろし、振り返ると少し膨れた顔。
 「中は見てないから。大根以外」
 「はあ…」
 仕方なさそうに頷くから、少し笑ってしまった。
 「では、お食事の支度をしますので。和食にしますね。お好きでしょう?」
 「うん、ありがとう。できれば少し急いでくれるかな?」
 「あ、はい。お腹すいてらっしゃるんですか?…朝とお昼、ちゃんと食べられました…?」
 「あー」
 いや、正直言ってそれどころじゃなかった。
 しかし返事を濁す俺を睨みつける般若顔がそれでも可愛いなんて、いくら何でも欲目が過ぎるかな?
 「とにかく、餓えてるんだ」
 困った顔をしてみせたら、可愛い後輩はわかりましたと溜め息をつく。
 「できるだけ早く作りますから、敦賀さんはリビングででもゆっくりしてらして下さい」
 「じゃお言葉に甘えて」
 俺は素直に頷いてキッチンを後にした。リビングでゆっくり考えたい。
 ねえ最上さん?
 腹の中で、背後のやさしい気配に呼びかける。
 今日の約束をした時のこと、君は正確に覚えてるのかな?
 俺は『食べたい』って要求して、
 君は『わかりました』って了承した。
 俺が実際に何に餓えてるのか、いま君は知らないよね。でも駄目。今日は、それを思い知ってもらうから。
 リビングに入りながら、俺は笑っていたかもしれない。

 さあ、どうやって君を陥落させよう?





web拍手 by FC2
 
 


 きらら様の80万打リクと蓮誕を兼ねて。
 リクは「ラブコメ、初夜を目指して暴走&空回りする蓮」でした…が…ん~、空回りまで行ってない…?面目ないm(__)m


 ところで、キャラの台詞をどうやって考えるのかと言うご質問を時々戴きますが、「考えてない」としか言いようがないカンジです。性格を設定し話を進めたら、キャラは勝手に喋るのですよ。
 性格が違えばリアクションも違い、言葉遣いも違うので…
 ああ、言葉遣いは多少考えますかね。例えば、今回『般若顔』なんて言葉が出てきてますが、尚なら『般若ヅラ』レイノなら『般若相』なんて言うかな、なぞと思います。
 うーん、参考にならんですか(>_<)



関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

検索フォーム
作品一覧
サイト「花うてHP!」トップよりブログ内の作品のリストに飛べます。閲覧者の皆様のアクションに対して加算させて戴く「花うてポイント」の説明・管理もこちらよりどうぞ!

作品リスト(サイトトップ)

アクセス

・メールフォーム

・BBS

リンク

◆リンクページ


◆当ブログへのリンクについて

当ブログはスキビコンテンツをお持ちのサイト様に限りリンクフリーといたします。


ブログ名:花のうてな

管理人名:みなみ なみ

URL:http://hananoutena.blog14.

fc2.com/


 ↓各ジャンルごたまぜの本サイト。

↓スキビの同人誌作品をブログ記事として収載・販売しています。(2014年7月までで更新停止)

 ↓BUD BOY二次です。


  • 管理画面
  • RSSリンクの表示
    QRコード
    QR
    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。