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たいせつでたいせつで(102)

 「う、うん…」
 視線をひたと合わせられ、キョーコは気を呑まれたように首を竦める。
 「クオンはお仕事入ってるし、私は、キャンプがあるし」
 クオンは瞳だけで頷き、
 「寂しいね」
 ぽつり言った。少女がはっと目を瞠る。
 「えっ、あ…
 「の…
 「…うん…」
 縮こまってしまったキョーコの、ストッキングなど必要もない真っ白な脚をそっと靴の上に載せ、少年は手当てに使ったものを持って立ち上がった。そこへキョーコがすかさずウェットティッシュを差し出すのでほんのり笑って受け取り、手を拭いながら少女に背中を向ける。
 「1ヶ月丸々ほとんど会えないなんて、初めてだ。こっちで再会…いや、再々会してからは」
 トラッシュボックスにゴミを放り込むと、彼は何か思い出しながら話しているのか、常よりも幾分ゆっくりした語調で言った。
 再会から再々会までの記憶が曖昧なままのキョーコが困った顔で俯く。
 「う、ん…」
 「これからは、そういうのも当たり前になってくのかな」
 1つの呟きが、もう1つに塗り潰された。
 顔を上げる少女と振り向く少年の視線が絡まる。クオンがふと微笑んだ。
 「俺は1ヶ月なんてことにするつもりはないけど、ね。キョーコちゃんに忘れられないように、もっと頻繁に出没する予定だから」
 「クオン…?」
 期待にも似た不安が少女の瞳に過る。
 「うん」
 少年がひとつ頷いた。
 「頑張るから。
 「だから俺の傍で、早く、ゆっくり大人になって」
 「え…」
 矛盾する願いに、小さな頭がかすか揺れる。
 「クオン?」
 問い返しの呼び声には微笑の気配だけを返し、クオンは店のドアに足を向けた。
 「飲み物を買って来るよ。何がいい?」
 「え。あ、えっと。アップルジュース…」
 「OK」
 了承の声がいつも通り明るいので、少女の体から力が抜ける。店内に入って行くクオンには、彼女の小さな小さな呟きは届かなかった。
 「私も、がんばる…」
 





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 さて、次こそCFに行けるだろか。


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